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海洋冒険ファンタジー

  フ リ ル 〜 歌う魚

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フリル*1ページ  *前のページ

《第7章》 海と空のあいだ

(1) 歌う
(2) ヤンヤ
(3) 恋の泳ぎ

《第8章》 渦

(1)さかまく流れ
(2)ぐるぐるの思考
(3)はてな の 国

《第9章》 虹

4ページ目制作日:2003/6/6〜10

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《第7章》 海と空のあいだ

(1) 歌う

 深海から戻ってフリルは少しずつ歌い始めました。子供の時に許されなかった事を成長

した今、子供時代を取り戻すような気持ちで。何よりもまず、自分のために歌い始めました。

又さまざまな海草や珊瑚礁で造られた《海草公園》で、海藻のトランポリンで海高く跳ねてみ

たりして、のんびりすごしてみました。

(2) ヤンヤ

ある時フリルは目の前を流れてゆく別の海流をながめながら、今までの事や今の自分を

思い返していました。その時、たまたまヤンヤが通りかかりフリルに声をかけました。

「やぁ、フリル」

フリルは空想のなかに入っていて、ヤンヤの声に気づきませんでした。

ヤンヤはフリルのすぐ近くまできて、声をかけました。「フリル。」

フリルは空想している場面の中に急にヤンヤが現われたのでびっくりしました。

その瞬間、何かが通りすぎました。

「??」 フリルは 今のは 何だったのかしら? と思いました。

ヤンヤは フリルのようすが変なので 心配になりました。「どうしたの? フリル」

「私、どうかしたのかしら? ?? 何かが今通っていったような? それはそうと、ヤンヤ。

今日はお休みなの? ブラックバスの観光案内のお仕事は?」

「あぁ、それはやめたんだ。今日でおしまい。」

「どうして?」

「必要なだけのうろこや 星の砂はもう手に入ったから もう仕事はやめたんだ。ぼくは 

これから広い空っていうのを見てみたいんだ。」

「広い海じゃなくて、広い空なの?」

「そうだよ。ぼくは とびうおなんだよ。」と言いながら ヤンヤは長いひれを広げて見せまし

た。 「ほら、空を飛ぶ鳥っていういきものと同じように、つばさを持っているんだ。海を泳ぐ

のと、空を飛ぶのは、本質的には同じものなんだよ。」

フリルは自分のおおきなひれと、ヤンヤの長いひれは、「大きい」という点では同じでも、

形がちがうんだなぁとしみじみ眺めました。そしてはじめて、他の魚をうらやましい、と感じ

ました。

「ヤンヤは空を飛んだことがあるの?」と訊ねました。

「うん。海と空を交互に飛ぶっていうのが、ぼくたちとびうおの飛び方なんだよ。」

「へえー そうなんだぁ。」フリルにはヤンヤがまぶしく見えました。

「ところで しばらく見かけなかったけど、フリル、君はどんな風に過ごしていたの?」とヤンヤ

は訊ねました。フリルは、目の前の別の海流を眺めながら思い出していた事などを、ぽつり

ぽつりと話しだしました。白砂の谷にいた時の生活から、外海に来た時の話。深海での話。

そういった事を ゆっくりと話していきました。

*

(3) 恋の泳ぎ

*

いつのまにか日が暮れ、夜がふけ、夜どおし話して、朝になってしまいました。

話しながらフリルはこんな風に 誰かとうちあけあうのは初めてだった、と気づきました。

話していくうちに、ヤンヤのやんちゃ小魚時代の話も聞いたりして、深く深くお互いを知り合っ

ていくのが自然な風に 感じていました。

朝がきて、朝の日差しがさす潮の中で、ふたりはそうと気づかず恋をしていました。

みつめあう瞳がはずせなくなり、ふれあったひれがはずせなくなり、ふたりはそのまま海の

宙へと漂っていきました。ふたりは踊るように泳ぐように飛ぶように海を駆け巡りました。

フリルは小さなハミングをしながら体を揺れ動かし、ヤンヤのまわりをくるりと回りました。

ヤンヤは長いひれをのばしてすばやくフリルのひれをとらえて、彼女を海と空のあいだへ

連れて行きました。

ヤンヤはフリルといっしょに空へ向かって飛びました。ふたりは海面をつき破りました。

ヤンヤは翼のような長いひれを思いっきりのばして、フリルをつれて、鮮やかに虹のような

弧を描いて空を飛びました。そして再び海面へ飛び込みました。ヤンヤは海の中へ入って

もいきおいを落とす事なく泳ぎ、再び空に向かって飛びこみました。

ふたりは めまぐるしい空と海へのジャンプを繰り返しました。フリルははじめてでしたが、

無我夢中で泳ぎました。

いつからか、ピンク色のイルカもいっしょについて空と海へジャンプし、ふたりの恋の泳ぎを

祝いました。

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《第8章》 渦

(1)さかまく流れ

*

ある日、ヤンヤと一緒に空と海への飛び泳ぎをしていて ふたりは今まで行ったことのない海域に

行ってみました。穏やかだった海流がだんだん勢いをましてきました。

「前へ進みにくいわ。でも 後ろには戻れない。」とフリルはうろたえました。

「そうだね。この先ではこの暖かい流れが冷たい流れとぶつかっているんだ。それで流れがこん

なに激しくなっているんだよ。」とヤンヤは言いました。

「このまま行けばどうなるの? 冷たい流れの中に入るのかしら?」

「それは君が決める事だよ。二つの海流がぶつかっている所では物凄い渦がおこっている。

渦に巻き込まれて目が回るだろう。しかし、君がどっちへ行くか決めればその方向へ行けるだろう。

決めなければその渦に巻き込まれたまま、抜けられない。君のうろこの光が教えてくれるだろう。」

「ヤンヤ。あなたはどうするの?」

「ぼくはぼくの渦の中に入る。この渦は他の海のどことも違っていて、いくつもの並行海流が複雑に

からみあっている所なんだ。逆に言えば、他の海流へ乗り換えようとすれば簡単にできる。そして

ふしぎなことに、この渦は一つだけではない。ここを通る魚の数だけ渦があるんだ。」

「え? 一つではない? ここを通る魚の数だけ 渦がある? じゃあ私たちふたりが通れば

渦の数はふたつになるって言うの?」

「そうだよ。皆、《自分の渦》を通る事になるんだよ。一緒に渦に飛び込んでいっても、その渦から

抜け出せる時、一緒だとは限らない。」

ヤンヤの話を聞いて、フリルは 恐ろしいような気持ちと、進んで見てみたい、という気持ちを

感じていました。

「今日まで一緒に過ごして楽しかったのに、離れてしまうの?」とフリルは聞きました。

「そうじゃないんだ。ぼくたちは海流に乗って、自然に大海洋を広々と泳ぎ回った。その流れに乗っ

て、ここまで着たんだよ。この広い海、7つの海を渡っていくには ところどころこういう渦を通ってい

かなければ行けない。君とぼくはずっとふたりで行くのかどうかわからないけど、こういう渦を通りな

がら広々とした世界中の海を渡っていくんだ。」

ヤンヤはここまで言うとフリルの瞳を見ながら言葉を続けた。「君もそうなんだろう? 小さな海域

だけで満足している魚じゃないって事は君が自分でよく知っているじゃないか。」

言い終わるとヤンヤはフリルのひれにそっとふれました。

フリルはヤンヤの言葉に力強さと信じる強さを感じました。それは、ヤンヤがヤンヤ自身を信じて

いる事と、フリルを信じている事からくる強さでした。

「ええ。そうね。あなたの言うとおりだわ。それに、海はいつでも私たちひとりひとりの必要な所へ進

むように流れを作ってくれる。たとえ激しい渦の中ではぐれても、《うろこがひきあう力は新しい海流

を生みだす、海を動かす》とも言うわ。」

「フリル」

ヤンヤはその長いひれでフリルのからだをつつみ、激しい流れの中で身をくねらせながら泳ぎまし

た。泳ぎながらふたりは互いの大きなひれとひれをぴったり合わせて、段々と激しくなっていく流れ

の中を進んでいきました。そうしてふたりはさかまく流れから、渦の中に進んで行きました。

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*

(2)ぐるぐるの思考

*

渦の中に入っていくとふたりは体をよせていましたが、やがて離ればなれになって渦に巻き込まれて

いきました。目もまわり、何が何だかさっぱりわからないようになりました。

フリルの頭の中ではこんな疑問が湧いてきました。

「なぜ私は今ここにいるの?」

  「ここは何処なの?」

    「何をすればいいの?」

       「どこへ行くの?」

そのうちに思考の方向が変わってきました。

「ヤンヤは本当は私から離れたかったのではないかしら?

そうよ。離れたかったんだわ。

ヤンヤにとって私はどうでもいい魚なのよ。きっと」

フリルはヤンヤの事が信じられなくなり、ヤンヤをひどい魚のように考え出しました。ぐるぐる思考は

それだけでは終わりませんでした。ぐるぐる思考はとどまるところを知りません。

「私が歌うのを聞いてくれる魚は 本当にいるのかしら?

本当はいないのでは?

そうよ、いなんだわ。誰も私の歌なんて聞こうとしない。

きっと聞いてくれないわ。」

涙がとめどなく流れてきました。

「それに、私のような小さな魚が 広い海の世界を見るなんて

できない。できない事よ。

私はジェーンやファイアーオパールとは違うわ。

彼女たちのように なんて出来ないわ。」

ヤンヤとの愛と信頼にみちた関係や、一緒にすごした日々を思い出して、なお こう思いました。

「美しかった。あれは一体何だったのかしら?

すべては 夢だったの?

この海の中で泡のように消えてしまう?

あんなに ひれにも うろこにも しっかり感じとれた愛がこんなに簡単に

もろく 消えてしまうなんて。信じられない。

もう 何もかも 忘れてしまいたい。」

そう思ったとたん、フリルの体を激しい痛みが走りました。体のすべてのうろこがばたばたと暴れる

ようにうごめき、そして うろこの輝きが消えてしまいました。渦にまきこまれたままフリルは段々と

渦の中心に向かって、流されていきました。

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*

(3)はてな の 国

*

フリルは 見知らぬ世界にたどり着きました。自分がどこの誰で、何をしているのか、何処へ行こうと

しているのか、まったく思い出せませんでした。

そこは 一面がもやでした。もやの丘、もやの山がむこうの方に見えます。何にんかの魚がフリルの

前を通りすぎていきました。誰もがうつろな目をして、ただ歩いているようでした。そこはまったく、

色がありませんでした。暗い色黒い色もないかわりに、明るい色光る色もありませんでした。

フリルもいつしか他の魚と同じ目をして、そのもやの世界をただ泳ぎ続けました。

「このまま行けばきっと何かがあるはず。そこへたどりつけばきっと私が誰か、わかるはず。」

そうつぶやきながら、フリルは他の魚と同じようになっていきました。

その国のまん中には こんもりと丘になっており、そこだけ鮮やかな色の光がありました。フリルは

その光に導かれるようにしてたどり着きました。丘の上には一本の木がありました。珊瑚礁とは違う

海の上の、空の世界にありそうな木でした。木には沢山の果実が実っていました。

木に近づくと 男と女の魚がいました。ふたりは黄色と青色のしましまのエンジェル・フィッシュでした。

フリルに近づくと、女の魚がフリルに声をかけました。

「私たちは木のお守りをしているのよ。あなたはだぁれ?」

フリルは答えられませんでした。

「ここは 《はてなの国》 だから そんな事聞いても答えられないさ。」ともうひとりが言いました。

「あれは何ですか?」とフリルは勇気をふりおこして聞きました。

するとふたりのエンジェル・フィッシュは驚いて、声を揃えて言いました。

「おぉ! この国でこの木の守りをして、こんな事訊ねてくる魚は 初めてだ!」

ふたりは驚きの踊りをしました。その踊りがおかしかったので、フリルはつい、笑ってしまいました。

「笑った……!」ふたりはまたもや 声をそろえて驚きました。

「あ、ごめんなさい。」とフリルは謝りました。

「あ、《ごめんなさい》だと? こんな言葉もこの国にいて 長らく聞いていない。」

フリルが言う事 なす事が この国では珍しい事のようです。男のエンジェル・フィッシュが言いました。

「さっきから君は 我々に質問をして、笑い、謝っておる。それでいて、君は自分の事がまだわからな

い?」フリルはうなずきました。もうひとりが答えました。

「そうか。あの木を見てごらん。沢山の果実が実っているでしょう?それはこの国に迷い込んだ魚

の色が果実となってあそこに実っているの。あなたの色の果実もきっとあの木のどこかにあるわ。」

ふたりはかわるがわるに言いました。

「そうだ。今日は面白いものを我々に見せてくれた。君は特別だ。木のそばによって、自分の果実

にふれて、自分の色を取りもどすといい。」

「でも、よく気をつけてね。間違えないようにね。もし間違うとあなたは他の魚の色をまとって生きて

いく事になる。」

「そうじゃ。自分の色を失い、自分が何ものだったか忘れて生きていくのか? それとも、他の魚の

色をまとって生きていくのか? どっちがいいだろう?」

「失敗するとは 限らないんじゃない? この魚は他の魚とは違うようだし。」

「そうだな。まず我々に 質問をしてきた。次に笑ってみせた。それから…」

「最後には 謝ってきたでしょう? 凄いことよねぇ、この国では。」

「この国ではそれがそんなに珍しい事なんですか?」とフリルは訊ねました。

「おぉ、またもや! こんな風に興味をしめされるというのは、質問をしてくるというのは、何という!」

「そう! 何と珍しい事か!・・・よろしい。質問に答えよう!

まずはじめに、わしの名前を伝えておこう。わしの名前は《おぉ!》という名前だ。そしてこっちは。」

「わたしの名前は《あぁ!》。私たちふたりは 記憶の果実がなる木の守り番をしているの。」

「記憶の果実?」

「そう。記憶の果実。《何もかも忘れてしまいたい!》と思った魚は、この国にやってくる。そして、そ

の願い通りに自分が何ものだったか、自分の色を一切すべて忘れてしまうのよ。その記憶、自分

らしさ、色、といった大切なものは果実の形になって、この木に実るの。」とあぁ!は言いました。

「どうして忘れてしまいたい、というほどの記憶が 消えないで果実になるのでしょう?」とフリルは

訊ねました。

「それはね」とおぉ!が答えてくれました。「忘れてしまいたいような記憶には 絶対に消してはならな

い大切なものが隠されているからだよ。 たとえ、辛かった事があったとしても、うろこが傷つくよう

な出来事があったとしても、ひとつの記憶はすべての記憶とつながっている。そしてそれだけではな

い。自分らしさ。個性といったものともつながっている。その魚が今まで生きて何を感じてきたか、何

をこだわってきたか、そういったものとも すべてがつながっているから、その記憶は忘れたいと思っ

ても消し去れないものなんだ」

あぁ!が続きを話してくれました。「そうそう。だから記憶は色は私たちがお預りしお守りしている。

記憶や色を失うと、その魚らしさが失われ、自分が何ものだったか、忘れてしまう。そうして段々、

何ものにも興味を示さなくなってゆく。笑ったり質問をしたり他の魚に話しかけたりしなくなる。」

「だから、我々には 非常に珍しい体験だ。」とおぉ!が言いました。

「さぁ 入りなさい。そして木の近くによって自分の色はどれなのか?どれが自分の果実なのか?

よぉく見て選ぶのだ。」と、おぉ!はフリルを木のまわりのかこいをはずしてフリルを中に入れました。

フリルは「ありがとう。」と言って中へ入りました。ふたりはそろって驚きの声をあげました。

「ありがとう!だと!? これは幸運の知らせだ。」

木のそばに近寄ってみると、それこそ沢山の色とりどりの果実が実っていました。どれもこれも美しく

あふれるほどに豊かに実っていました。フリルは目をつぶって木のまわりを泳いでみました。ふと、

しっぽが動きを止めました。そこでフリルはたちどまりじっと見てみました。沢山の果実はどれも自分

にふれてもらおうとフリルにつめよって動きました。そこでフリルはお願いをしてみました。

「どうかお願いです。私の色の果実さんに会わせてください。」

するとフリルの前に腕をさしのばしていた枝が左右にわかれて、木の幹に近い部分が見えました。

その正面には こぶりの果実がありました。全体は白砂色で一部だけピンク色に染まっています。

その果実からは歌が聞こえました。

* * *

きらきら 海が きらめく朝に

私は 歌う 私は 歌う

きらきら 海が きらめく朝に

*

きらきら 月が きらめく夜に

月が 歌うよ 星が 歌うよ

きらきら 月が きらめく夜に

* * *

果実をもぎ取り、果実の歌を聞きながらフリルは 一緒になって歌っていました。歌い踊るにした

がってフリルは自分の色を取り戻しました。自分が何物であるか、を思い出し、自分自身に対する

自信と愛を取り戻しました。それと同時に沢山の果実が宙に浮いてもとの持ち主のところへ帰って

行きました。輝く色とりどりの果実が一時に海の宙を飛び、はてなの国をさまよう魚たちの元へと

飛んでいくのは、とても美しい光景でした。

そうして はてなの国は色を取り戻しました。すべてのもやが晴れて、遠くの山も美しく見えました。

ふたりのエンジェル・フィッシュは 喜びの声をあげています。お互いの名前を呼び合っているような

喜び方です。

「おぉ!!!あぁ!!!おぉ!!あぁ!!!この喜び!」

「もう私たちは 果実の木のお守り番という仕事から解放されたんだ!」

フリルは木の高く上をめざして泳いでいきました。ふたりのエンジェル・フィッシュがひれをふってい

るのが見えます。フリルはふたりに言いました。「ありがとう。おぉ!ありがとう。あぁ!」

ふたりが段々小さく見えました。

フリルのひれとしっぽは、フリルの進むべき方向を知っているようです。フリルの目の前にきらりと

した光が見えました。フリルは歌いながら進んで行きました。フリルの歌声にあわせてひれとしっぽ

大きくたなびき、きらめく光の渦の中にフリルを送り出してくれました。

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《第9章》 虹

光の渦の中を進んでいくと、いつのまにか海面をやぶって空に突き抜けていました。

フリルの体を包んでいる海流は空を高く横切って、再び海へとつながっていました。そしてそれは

七つの色に光る雫からできていました。

それは 虹 でした。

虹の海流に乗って フリルは空を飛んでいたのでした。虹の海流に乗ってフリルが海に入ると、

懐かしい声がしました。

「やぁ、フリル。また会えたね。」

ヤンヤの声でした。虹の光る雫がまぶしすぎて見えませんでしたが、ヤンヤがすぐそばにきたの

を感じました。ぴったりとひれとひれを合わせて、ふたりは再び出会った喜びを感じていました。

第1部おわり 第2部に続く

 

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